2010年10月01日

大切なお子さんのために残してあげられるもの

ビスミッラー。

以前も読んだことがある記事を今日久しぶりに読みました。
何度読んでも心に響きます。
お子様をお持ちのお母様方、全員にぜひ目を通していただきたいです。
作成されたシスターにアッラーのご満悦と報奨がありますように。



大切なお子さんのために残してあげられるもの


ある先生の講話で、実際にあった話を聴いたことがあります。
ある敬虔な学者が、モスクで礼拝をして帰ろうとすると、見知らぬ男が彼のところへ来て、「私はすごくお金が必要です、どうか、貸してもらえませんか?」と言ったそうです。その学者が、自分の持っていたお金をすべて彼に与えると、彼はお礼を行って帰っていきました。
お金がまったくなくなった学者が、モスクを出て、家に帰ってみると、家族が大騒ぎしています。
話を聞くと、彼の小さな子供が、数階建てのマンションのベランダから下に落ちた、と言うのです。
彼が真っ青になって、子供の安否を尋ねると、絶対に助からないような高さだったのにもかかわらず、子供は奇跡的に何の怪我もなく、無事だったそうです。
彼が、子供が落ちたのは、何時の出来事だったかと尋ねると、ちょうど、彼が、見知らぬ男に、持っていたお金をすべて与えて、サダカをしていた時間帯だったそうです。

先生は、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)のハディースの、
《イフファズッラーハ ヤフハズカ》
(日本語訳:アッラーを守りなさい。そうすれば、アッラーがあなたを守ってくださいます。)
というハディースを言われました。
ここで言う、「アッラーを守る」というのは、彼のご命令に従い、彼が禁止されることを避ける、ということです。アッラーのご命令を守ると、アッラーはあなたのすべて、大切なお子さんも、ご主人も、財産も、家も、家族も、すべてあなたのために守ってくださいます。預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)が言われたことに、嘘はありません。間違いはありません。アッラーのご命令に従い、禁止されている事を遠ざけることで、アッラーは私たちのすべてを守ってくださると、アッラーは約束してくださっています。

そう思うと、心配事はたくさんあるように見えても、実は、ひとつだけで、「アッラーを守る」、このことができているかどうか?というこの一点にすべては懸かっているのです。
先生が言われていたのは、いろんな悩み事や心配事があるときには、「アッラーを守る」というこの一点だけをしっかり見直しなさい、そうすれば、あとは、アッラーがあなたのために、あなたの大切なものをすべて、アッラーのお力で、お守りくださいます、ということです。

私たち人間の力や能力は、とても限られたものです。できることもあれば、できないこともたくさんあります。でも、アッラーの能力に限りはありません。お母さんが、精一杯自分の力で大事なお子さんを守ろう!といくら決心しても、突発的な事故や、怪我や、病気などから、お子さんを完全に守ることは不可能です。しかし、もしアッラーのお力で、お子さんが守ってもらったとしたら、何を恐れることがあるでしょうか。アッラーに不可能な事はありません。アッラーは、お約束してくださってるからです。
≪アッラーを守りなさい。そうすれば、アッラーがあなたを守ってくださいます。≫

このハディースは、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)の後ろを歩いていた、まだ少年だった教友のアブドゥッラー・ブン・アッバース(彼にアッラーのご満足あれ)に向かって言われたものです。ハディースの始めは、こうです。≪少年よ、私は、君にある言葉を教えよう。≫

預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)が、子供に必要だと判断された言葉というのが、この≪アッラーを守りなさい、そうすれば、アッラーがあなたを守ってくださいます。≫というフレーズで始まるハディースです。この後、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)は、こう続けます。

≪アッラーを守りなさい。そうすれば、彼をあなたの目前に見るであろう。何かを尋ねるときには、アッラーに尋ねなさい。助けを求めたくなったときには、アッラーに助けを求めなさい。そして、知るがいい、もしウンマ(共同体)のすべての人が集まって、なんとかして君を助けようとしたとしても、アッラーが君に書かれたこと(運命)でしか、君を助ける事はできない、ということを。また、彼らが君を損なおうと(害するために)集まったとしても、アッラーが君に書かれたこと(運命)でしか、君を損なう(害する)ことはできない、ということを。すでに、ペンは置かれ、ページは乾いてしまったのだ。≫ ティルミズィー出典

つまり、このハディースでわかることは、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)が忠告された、ムスリムの子供に必要なことというのは、結局のところ、「アッラーを信頼しなさい」、というこの一点です。困ったときには、アッラーに助けを求めなさい、あなたの運命は、人々の手の中にあるのではなく、アッラーの手の中にのみにあることを知りなさい、ということです。

どんなに親が子供を大切に育てたとしても、親というのは先立つものですし、いくら大切に子供を守っていたとしても、結局のところ、最後にひとりで残されるのは、子供です。親が一生子供を守ってあげることはできません。ですから、親として子供のためにしてあげられる最善の事は何か?を考えたとき、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)が、少年に伝えられたこの言葉は、子育ての真髄をついています。

自分はいなくなってしまう存在だけれども、永遠にいなくなることがない、この宇宙の主、アッラーのみを、頼って生きていきなさい、と子供に教える事が、どんなに子供の将来を助けてくれる事でしょうか。将来襲いかかるであろう人生の荒波を、どんなにたやすく渡れるようにしてくれるでしょうか。お母さんは、今から、大切な子供の一生を託すのに、もっとも安全な、もっとも頼りになる存在は、何か?をきちんと考えてあげましょう。

子供のために親ができる最善の事は、子供のためにお金を沢山残しておいてあげる事でしょうか?それとも、頭のいい子になるように塾に行かせて、子供を有名な大学に入れることでしょうか?子供を一流企業に就職させる事でしょうか?
これらのものを子供に残してあげてはいけない、ということではありません。ただ、これらのものだけに、頼って生きるように教えることに、問題があるのです。
なぜなら、これらは、すべて、消えてなくなるものだからです。確実に、死と共に消えてなくなってしまい、墓の中やあの世には持っていけないものである以前に、子供が生きている間にも、いつ有名企業が倒産するかもしれず、お金を残したとしても、火事や事故でいつ破産してしまうかもしれず、これから子供が乗り越えていかなければならない長い人生には、数え切れない、様々な落とし穴が潜んでいます。子供が、こうした落とし穴のひとつに落ちてしまったときに、これらの消えてなくなるものにしか価値を置かずに育った子供は、どうやってその困難に耐えられるのでしょうか?この世のはかないものだけを追いかける人生のレールを引いた親の責任は、重大です。そして、これらが手に入らないと幸せではない、という価値観に犯された子供は、泡のようにいつ消えてなくなるかわからない不安定な価値観にしがみついて一生を生きていくことになり、それらが消えてしまったときには、何も頼るものがなくなり、人生を見失ってしまいます。親がそのときに、子供を助けてあげられるのでしょうか?それまで、自分が生きていられるという確信があるのでしょうか?

イスラームにおいては、子供は次の世代を担う、次の世代の社会を構成する、大切な大切な宝物です。だからこそ、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)は、まだ少年だったアブドゥッラー(彼にアッラーの満足あれ)に、あなたを守るのは、アッラーしかいないのですよ、と教えました。子供の人生には、どんな困難が待ち構えているかもしれません。子供を預けるのに、一番安全な場所はどこか?を考えたとき、アッラーの元にしか確実に安全だと言える場所はないのです。

子供に、この預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)の忠告を教えてあげましょう。アッラーがいつも彼のことを見守っていてくださって、アッラーの御手の中に、彼の未来がすべてあることを教えてあげましょう。アッラーのご命令を守って、禁止事項を遠ざけたら、アッラーが、必ず彼を守ってくださることを、早く大切なお子さんに教えてあげましょう。
もし、私たちが、本当に、すべてのものは、すべてのことは、アッラーの御手の中にある、と分かっていたら、アッラーのご満足を得られないこと以外に、怖いものはなくなります。でも、もし私たちが、アッラーを信じていなければ、すべてのものが恐れるものになります。例えば、お金しか信じていなければ、お金がなくなること、貧乏になることが怖くなってしまうし、ひいては、お給料をくれる社長の怒りを買う事が、怖くなったり、家に泥棒が入って金庫を盗んでいってしまったらどうしよう、お金を預けている銀行が破綻してしまったらどうしよう、地震などで家が潰れてしまったらどうしよう、すべてのことが、恐れる対象になります。自分の子供だけが一番大切な人は、子供が病気になったらどうしよう、交通事故にあったらどうしようか、学校でいじめにあったらどうしようか、子供を取り囲むすべてのものが恐れる対象になってしまいます。
でも、アッラーの御手の中に、それらすべてのものがあって、アッラーがお望みになられれば、【あれ、と言われればそれは存在する】ということを知っていれば、アッラーのお嫌いになられる事をしてしまうことだけが、恐れるもので、アッラー以外のなんにも怖いものはなくなります。
私達が、アッラーを求めれば、すべてのものは、私達の後ろからついてきます。もし、私たちが、太陽に顔を向けていれば、影は自分の後ろにできますよね。そして、どこに行こうと、私たちについてきます。しかし、もし、私たちが影を捕まえようとすると、影はどこまで追いかけても捕まえる事はできません。つまりこの世のはかない飾りを捕まえようとすると、それは、どこまで追いかけても捕まえることはできません。そして、私達は、終わる事のない追いかけっこに、人生を費やし、疲れてきってしまいます。

ただ、私達に必要なのは、太陽に顔を向けること、そうすれば、影は私たちの後ろから自然に私たちを追ってついてきます。私たちがアッラーに顔を向けていれば、影、この世のものすべて、お金、仕事、家族、などは、全部後ろからついてきます。影が私達の後ろから付いてくるように。
なぜならば、アッラーは、この世に向かって、こう命令されたからです。お前にひざまずくものをお前の奴隷にしてやりなさい。そして、私にひざまずくもののために、お前は彼の奴隷となりなさい、と。ですから、もし、私達がこの世を、アッラーがお喜びになられるように使うのなら、この世は、私たちの奴隷になります。もし、私達がこの世の飾りだけを愛するなら、私達は、この世の奴隷になります。
大切なお子さんを、この世の奴隷にしてしまうのか、この世のすべてをお子さんの奴隷として、与えてあげる事ができるか、は、お母さんにかかっています。預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)は、アブドゥッラー(彼にアッラーのご満足あれ)のみならず、ムスリムすべての子供たちを、この世の奴隷にすることなく、この世を、奴隷として使うことが出来る人に育って欲しいと願われ、この忠告をされました。≪アッラーを守りなさい。≫と。
どうか、これだけは、お子さんに伝えてあげてください。アッラーは、あなたのことをとても愛していて、この世に存在させてくださったんだよ、ということ。あなたが幸せにこの世とあの世で生きられるために、ルールを作ってくださって、それを守れば、アッラーはあなたのすべてを守ってくださるんだよ、ということ。このことを知ったお子さんの人生には、何も怖いものはなくなります。誰がいなくても、何もなくても、安心しきった状態で、心から幸せに人生を生きていくことができ、あの世でも、笑ってお母さんに再会する事ができます、インシャアッラー。どうか、大切なお子さんに、すべての主であられるアッラーを、残してあげてください。アッラーが、私たちの家族と子供たちをお守り、お導きくださいますように。



世界中の全ての兄弟姉妹のため、また、ムスリムの子供たちのために、毎日一回は、ドゥアーをする。日本語でも大丈夫。参考までにアラビア語のドゥアーを。
★預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)が、先ほどのハディースの少年にされたドゥアー。彼(フ)を彼ら(フム)に置き換えると、
アッラーフンマ ファッキフフム フィッディーン  
(アッラーよ、彼らに宗教への深い洞察をお与えください。)
このドゥアーを預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)にしてもらった彼は、後に、イスラーム最大級のクルアーン解説者、ハディース伝承者となります。
★ 親が子供にすると良いクルアーンの中にあるドゥアー。
ラッバナー イジュアルナー リルムッタキーナ イマーマン
(私たちの主よ、どうか私たちを、主を畏れる者の模範としてください。)
25章 識別章 74節 日訳P444

私たちが他の人のためにするドゥアーには、天使たちが、「あなたにも同じものを!」と、アッラーにドゥアーしてくれます。他の人によいことをたくさんドゥアーしましょう。もし悪い事をドゥアーすると、「あなたにも同じものを!」と言われるので、注意。



posted by Ummee at 15:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アッサラーム アライクム

さりげない平易な文章でありながら、
ほんとうに、ぐっときますね。

『アッラーの存在に気がつく』
こんな素晴らしいことはありませんね、
アルハムドゥリッラー

皆さんに読んでいただけますように。

ジャザークムッラーフハイラー

では、
アッラーのご加護と祝福がありますように。
Posted by マリアム祐子 at 2010年10月04日 10:51
ワアライクムッサラーム。

本当に良い内容ですよね。
何度でも読み返したいと思います。
「太陽と影」のたとえにもすごく感動しました。
作成されたシスターにたくさんの報奨がありますように!

そしてマリアムさんにもアッラーのご加護と祝福がありますように!

Posted by ummee at 2010年10月07日 18:26
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